コントを語ろう。

コントを語ろう。

○○なものを、□□な人と語ったり、語らなかったりします。

グータンと語ろう。①

2017年の年末、Twitterをぼんやりながめていたら、こんなツイートを発見しました。

 

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▲この写真の2人がグータンです。(左の顔面Tシャツを着ているのが森山、右で陽気にタクシーを止めているのが原田)

 

グータンは、国際基督教大学の森山と、上智大学の原田が大学時代に結成したコンビ。大学在学中は、学生芸人として活躍して、大学芸会2015個人戦(大学生でお笑いをやってる人が参加する年に1回の大きな大会)では準優勝に輝きました。2016年に大学を卒業してからは、よしもとクリエイティブ・エージェンシー に所属し、プロの芸人としての道を歩み始めました。

 

‥‥っていうグータンが、丸2年のよしもと所属を経て、よしもとを辞めたそうです。漫才もコントもおもしろいグータン(あと、いいやつら)。聞いてみたいことは山ほどあります。グータンの現在地点、その観測記録のひとつとして、今回の『コントを語ろう。』を読んでいただけるとうれしいです。

 

 

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グータン森山のプロフィール

1993年、東京都生まれ。

元ICUお笑い研究会。元よしもとクリエイティブ・エージェンシー。

子ども大好き。一人称は「ぼく」。

 

グータン原田 のプロフィール

1992年、東京都生まれ。

元上智大学SCSお笑いサークル。元よしもとクリエイティブ・エージェンシー。

笑顔。一人称は「おれ」。

 

大内悟道のプロフィール

1993年、東京都生まれ。

大学生時代にグータンとは同期だった。

コントグループシルを企画した、シルのリーダー。作、出演。

 

島野大輝のプロフィール

1993年、神奈川県生まれ。

大学生時代にグータンとは同期だった。

シルのメンバー。作、出演、デザイン、編集など。

 

 

ちょうどってなんだろう。

 

大内:

さて‥‥今日はどういった話をしましょうか!

 

森山:

もうなんでもグイグイ話すよ。

 

原田:

見たよ。レッドブルつばささんのやつ

 

島野:

ほんと?!それはありがとう。今日もそういう感じでお話しできればと。

 

森山:

‥‥え?あ、初めてじゃないのね。

 

大内:

あ、るてちゃん(原田くんのことをみんな"るてちゃん"って呼んでます)にだけ概要を連絡してたな。

 

森山:

いま、学校とかでやる新聞みたいなのをつくるんだと思ってるよ僕。

 

島野:

(笑)。でも変わらない。前回ブル兄とライブをしたときに、おたがいにお笑いについて語り合おうってことをしてみて、それをブログに載っけてるのよ。で、これ続けてみようってなって、タイミング的にグータンに話聞きたいなってなったんだよね。

 

原田:

すげーありがたい。

 

大内:

こちらこそありがたい。

 

森山:

僕らも確認したいし。自分たちが何者なのか。

 

原田:

なんかお笑いに関してとか質問してくれれば、俺らもだんだん俺らが分かってくると思う。

 

島野:

そういう話、二人でするときあるの?

 

森山・原田:

しないね。

 

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大内:

じゃあさっそくだけど、お願いします。

 

島野:

どこからいく?

 

森山:

じゃあ、ジャブとして‥‥誕生日からいっとく?

 

原田:

どうでもいいよ!

 

大内:

すごいパーソナルなところからいくなー。

 

森山:

199343日です。

 

島野:

四月生まれっぽい!るてちゃんは?

 

原田:

えー、1992616日。ほんこんさんと一緒の誕生日。

 

大内:

へー!ちょうど?

 

原田:

ちょうど。

 

島野:

そりゃちょうどだろ!ちょうど一緒じゃなくて「いっしょ」って言う?

 

原田・大内:

(笑)

 

森山:

それで言うと、僕はタカトシのタカさんと一緒。

 

大内:

‥‥ちょうど?

 

森山:

ちょうど。

 

島野:

だろうよ!悟道くんは?

 

大内:

10月10日で、ナルトと一緒。

 

原田:

空想!

 

島野:

おまえだけフィクションじゃん。

 

大内:

島野だれと一緒?

 

島野:

8月25日だから、チキンラーメンが誕生した日。

 

大内:

事柄!おまえのは安藤百福の集大成が実った日じゃねぇか!

 

島野:

百福がチキンラーメンを形にした日。

 

森山:

人ですらない。

 

大内:

でも、意外とおたがい知らないね。そういう情報。

 

島野:

たしかに。

 

原田:

ここと、ここ(森山と島野)は仲良いイメージあったけど。

 

森山・島野:

いやそんなことはないよ。

 

原田・大内:

(笑)

 

島野:

近いものは感じるけど。

 

森山:

二人で話すとかはないよ。

 

原田:

あれか、森山がやましゅうとシャッフルコンビをやってたのか。

(大学時代に、シャッフルコンビでネタをする、ライブイベントがあったのです)

 

島野:

あーそうだ、なんか猿岩石みたいな名前の‥‥

 

森山:

えーっとね‥‥「石岩石(いしがんせき)」!(笑)

 

島野:

いしがんせき(笑)、それだ!

 

森山:

めっちゃ好きなんだよねあの名前(笑)。そのあともシャッフルコンビしたときは、「恐竜恐(きょうりゅうこわ)」。そのシリーズ好きなの。中村中さんいるでしょ?あの名前が好きで(笑)。

 

島野:

もう、子どもの名前「森山森(もりやまもり)」でいいじゃん。

 

原田:

いい!もりやまもり!

 

大内:

大地主になることが運命付けられてる。

 

島野:

悟道くんはグータンとどういう繋がりなんだっけ?

 

原田:

俺と悟道は一年のときLUDO(早稲田のお笑いサークル)で一緒で。

 

大内:

るてちゃんは、もともと早稲田のお笑いサークルにいたのよ。高校のときの親友と同時に入ってきて。

 

原田:

そうだ!

 

大内:

なんでお前が忘れてるんだよ!(笑)

 

島野:

ポンっ!ってやつね。

(当時、るてちゃんの組んでたコンビのネタで、こういうボケがあったのです)

 

原田:

え?!なんで知ってんの?!はずかし!

 

大内:

るてちゃん、もともとボケだもんね。

 

原田:

あー、一番恥ずかしい!

 

森山:

そうだね。もともとボケ同士のコンビなのか。

 

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大内:

で、るてちゃんは、LUDOからSCS上智のお笑いサークル)に行ったんだ。

 

原田:

でも、基本は変わらないね。ほとんど。

 

大内:

森山は?

 

森山:

中学のサカキバラくんっていう友達がいて、そいつが上智に入って。だから最初は、僕も上智でお笑いをやってたんだよね。

 

原田:

そもそも、その友達とプロに行こうとしてたんだよね?

 

島野:

へー!そこまで。

 

森山:

そうそう。でも、その友達が、「お笑いもう嫌だな」ってなって。

 

三人:

(笑)

 

森山:

絶対プロにはならない!絶対!って(笑)。

 

原田:

めっちゃおもしろいんだけどね。

 

森山:

めっちゃおもしろい!

 

島野:

いまは何してる人なの?

 

森山:

大学院に進学した!サカキバラくんの影響、二人とも受けてるもんね。

 

原田:

そうね。

 

大内:

森山には、”森山節”っていうのがあるなぁと思ってたけど、それにはサカキバラ君の影響があるんだね。

 

森山:

ワードとかおもしろいんだよね。でも、すっごい緊張するのよ舞台あがるとき。素のときおもしろい。

 

大内:

そういうタイプなんだ。

 

森山:

そうそう。で、なぜか舞台あがるときに緊張するのも、ついでに受け継いじゃったんだけど。

 

三人:

(笑)

 

大内:

で、ちょうど二人ともそれぞれのコンビが解散した時期が重なって組むことになったんだ。

 

原田:

そうそう。でも、それも下町モルモットが言ってなかったら絶対組んでなかったと思うよ。なんか奥山とレイが、SCSにいてほしいみたいな感じで、二人でやんなよってすげーぐいぐいで(笑)。

 

大内:

意外と紆余曲折なのね。

 

原田:

そっからずっとグータン。

 

森山:

あとは僕がICUの学内でほかのメンバーとライブをしていたくらい。

 

島野:

佐野バイオハザードね。

 

森山:

そう、佐野バイオハザードと。

 

大内:

椋鳥ね。

(森山と佐野バイオハザードによる、椋鳥(むくどり)というコンビがあるのです)

 

森山:

そういえば、この前もやったんだよ!佐野くんが卒業するから。新ネタおろしたし。

 

大内:

どういうモチベーションなの?(笑)

 

森山:

好きなんだよね。佐野くんとやんの(笑)。

 

原田:

佐野の話になっちゃったよ!

 

森山:

ごめんごめん。(笑)

 

原田:

あと、最初からいままで話すときずっっっと人を指差してるよ!

 

三人:

(笑)

 

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森山:

クセなの、クセ!これクセなの、ごめんね。

 

 

(終始、ボケて、つっこんで、笑っております。)

 

 

つづきます。

 

 

(適当な記憶と、その場のノリで喋っているところもあるので、意味不明だったりそこらへんご理解ください!よろしくお願いします!)text by しまの/ photo by トールキン

レッドブルつばさと語ろう。⑤(あとがき)

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④はこちら

 

 

境をなくすってなんだろう。

 

 

(大内が最近、誰かに怒られたという話をしていて‥‥)

 

つばさ:

ふつうに寝坊して、起きたらもうお店が始まってる時間で、はいはいそうですかと思って「遅れます」って電話して、店についたら、店停電してて、まだオープンしてなくて、間に合って、なんとかなった。

 

大内:

‥‥怒られてないじゃないですか!

 

つばさ:

あれ、怒られたなと思って話してたら‥‥怒られてなかったな。

 

島野:

ライブ、いつやったんでしたっけ?

 

つばさ:

ライブは、1週間前か。

 

島野:

はえーーー!

 

つばさ:

めちゃくちゃはえーーー!

 

島野:

ライブ直前の1週間は、こんなに長い1週間ってあるんだなと思ってたんですけど、ライブ終わった後の1週間は、逆にこんな早い1週間あるんだと思って。

 

つばさ:

ある。おなじ毎日なのかってくらいに。おなじ時間?時間がおかしい。異常。ほんとに異常。

 

島野:

それぞれ普段の環境違うんで、どうかと思ったんですけど、一緒なんですね。仕事に戻ったからかと思ってました。

 

つばさ:

いや、違う違う。早すぎ。待って待って~ってなったもん。

 

大内:

そのあと、色々、思い返しました?

 

つばさ:

思い返した。久々にライブ反省ノートを書いたよね。

 

大内:

へー!

 

つばさ:

最近、短いライブとかが多くてやってなかったんだけど、今回はたっぷり反省しました。

 

島野:

ノートに書くんすね。

 

つばさ:

これは残さなきゃと思って、別で日記も書いたもん。具体的なことをちゃんと見返すために。

 

島野:

大事ですよね。

 

大内:

今回、一本一本のネタのカロリーは違ったと思うんですけど、一番反省したネタってどれですか?

 

つばさ:

『君はアイドル』。

 

島野:

アイドルのやつですか。直後から言ってましたもんね。

 

つばさ:

もう、大反省。正直に言うと、昼やって、これ夜ナシになんねぇかなってちょっと思った。なんとか土下座して‥‥(笑)。

 

島野:

除去させてくださいって(笑)。

 

大内:

出来で体調悪くしてましたもんね。

 

島野:

何がだめだったんですか?

 

つばさ:

なんというか、「これをやろう」って思ってたことはあったんだけど、まだ全然そのステージには立ててなかった‥‥。3本ともここに辿り着きたいっていう理想はあって、なんとか頑張ってみたけど、全然届いてない、っていう‥‥。落ち込むなぁ~‥‥。

 

島野:

チャレンジできたのは大きいですけどね。

 

つばさ:

そう。チャレンジしてなかったら、理想と今でどれだけの差があるのかは気づけなかったから、それは良かったんだけどね。

 

島野:

僕らも、「もっともっと!」っていうお客さんの期待もビシビシに感じましたし、そこはもっと頑張らないとですね。

 

大内:

「あ、こういう期待なんだな!」みたいなのを眼前で感じて、そこで修正していったのはありましたね。

 

島野:

僕らの「こうやってみたい」を出してみて、お客さんの「これが見たい」を直に受けて、よりこっちをやったほうがいいのかもというのが、

 

つばさ:

明確になったみたいな?

 

島野:

そうっすね。

 

大内:

単純なことは、僕らだけにしかできないものをやるってことですね。

 

島野:

でも、ゆくゆくやりたかったことなんで、やりたい方向とはずれてないんです。

 

つばさ:

それは良かったよね。

 

大内:

予想以上に、もうそっちなんだってだけで。

 

島野:

自分たちで考えてるところよりも、もっと上で考えないと。

 

つばさ:

2倍、3倍のスピードで成長しないと。

 

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大内:

だから僕たちも、今回のライブでものすごくたくさんのことを得られました。

 

島野:

ブル兄は、お客さんの反応を受けてどうでした?

 

つばさ:

俺は、コントをやれ!ってことなんだなと思ったね。

 

大内:

あー。

 

つばさ:

今回考えてたのはというか、やってみたかったのは、もう、最高のエンターテイメントをやりたいぞって思って。笑って泣けて、みたいな。でも、反応は「もっと笑わせてくれー!」っていうので。

 

大内・島野:

あー。

 

つばさ:

じゃあ逆に、笑って泣けてみたいなのをつくるにしても、その能力に自分が全然達してないぞっていうのにも気づいて、それで、体調悪くなった(笑)。

 

大内・島野:

(笑)

 

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つばさ:

で、切り替えたら、そっちの方がしっくりきた。

 

大内:

こっちは大股で考えちゃうんですよね。

 

島野:

ま、同じ轍は踏んできてますしね。逆に考えなくてもいいところもあるし、考えなきゃいけないところもあるし。

 

大内:

僕が今回のライブで印象的だったのは、夜なんですけど、僕の声が

 

つばさ:

声飛ばし事件ね。

 

大内:

袖にはけて、すぐ舞台戻ってきてセリフ言おうとしたら声飛んでるっていう。

 

島野:

ガスガスだったね。

 

大内:

そのときに、ウケの種類が全然違ってびっくりしたんですよ。

 

つばさ:

‥‥そりゃそうでしょ?

 

大内:

いや、なんて言うんですかね。お客さんも、舞台でコントやってる感覚。

 

つばさ:

なるほどね。

 

大内:

もうその会場でコントやってる状態ってのが最上なんですよ。

 

島野:

そうね。

 

つばさ:

たしかに、あの瞬間そうなったかも。

 

島野:

みんな舞台上にいた。

 

大内:

そうなの!その状態をもっとつくりたい。

 

つばさ:

つくりたい。つく‥‥れたらすごいなぁ。

 

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島野:

緊張のかべとか色々あるのを超えて。

 

大内:

むちゃくちゃヒントになりました。舞台から笑いを出す。

 

島野:

わかるー。

 

つばさ:

舞台とお客さんとの垣根をなくす。

 

島野:

それは、お客さんを引っ張るのか、こっちが降りるのか。どっちもあるだろうね。

 

大内:

僕らが好きなコントの人は、それがみんな得意。

 

島野:

思ってるよりも、姿勢がただっちゃう(姿勢を正させてしまう)んだよね(笑)。

 

つばさ:

ただっちゃう(笑)。

 

大内:

映画館で映画観るときとかも、ただっちゃいますもんね(笑)。

 

島野:

ただっちゃうな。

 

つばさ:

ただっちゃうのは、でも、ただっちゃうもんな。

 

島野:

ただっちゃうことがダメなことではないんですよね。

 

つばさ:

そうなんだよ。それはもう色んな方法がある。‥‥なにができるんだろう。

 

大内:

なかやまきんに君と、つばささんじゃ違うんでしょうね。

 

島野:

なにか他に思ったことありますか?

 

つばさ:

ひとつ思ったのは、ひとり、たのしくねぇ~~って。(笑)

 

島野:

えー(笑)。まじっすか!

 

つばさ:

シル、たのしそぉ~~。

 

全員:

(笑)

 

つばさ:

うらやましぃ~って、ずっとハンカチぐぬぬってしてたからね。準備期間中からずっと俺ぐぬぬ

 

島野:

そうだったんすね(笑)。

 

つばさ:

あとは、観に来てくれた人たちにけっこう言われたんだけど、「エンディングのコント、すごい楽しそうだったね」って。

 

島野:

シルとブル兄で、全員でやりましたからね。でも、それはもうみんな楽しかったですよ。

 

つばさ:

いや、俺のほうが楽しい!

 

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▲楽しそうなレッドブルつばさ。

 

島野:

(笑)。なら、よかったっすわ。設定も僕らにあってましたし。

 

つばさ:

なんかね。ちょうどよかった。

 

大内:

今回のライブ、みんなに大きなお土産がありましたね。僕なんてつばささんの観て、ピンやりたくなりましたもん。どこまで自分だけの自由な領域で勝負できるんだっていう。

 

島野:

人数の差よね。人数を使えば使うほど、いわば、自由度は少なくなってくるとは思うんすよ。というか、自由度を縛って成立させるのは、考え方として簡単なんですよ、人数多く出すうえで。

 

つばさ:

役割にしてね。

 

島野:

でも、そうじゃなくて、人数使って、かつ自由度が高い。これは俺も観たい。おもしろいだろうなぁ。

 

大内:

いいよね。

 

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▲90°の挨拶をするレッドブルつばさ。拍手するシル。

 

島野:

僕らのこともですけど、ブル兄のこともはじめて観ますって人もいましたね。

 

つばさ:

いたね!どう見えたんだろうな。

 

島野:

なかなか、ハードな人に見えますよね(笑)。

 

大内:

コントドMじゃないすけど。

 

つばさ:

(笑)。なんならお笑いライブを全然観ないですって人もたくさんいたからね。

 

大内:

そうですね。

 

つばさ:

色んな人に観てもらえるのはよかった。これが場所によってはもっとウケるかもしれないし、もっとスベるかもしれないし。

 

島野:

そうすね。

 

つばさ:

逆に、楽しみ。

 

島野:

全員ひっくるめて、パーンってできるようになりたいっすね。「二重の極み」みたいに。

 

つばさ:

「二重の極み(フタエノキワミ)」ね。

 

大内:

あれですよね、その(←まじめに話そうとしてたのに)

 

つばさ:

0.01秒のあいだに、瞬間的に2発目を打って(←なんかものすごいブツブツ言い始めた)

 

大内:

すげぇ言うなぁ!

 

島野:

なんでしたっけ、あん‥‥

 

つばさ:

左之助とね、安慈の必殺技ね。

 

島野:

安慈(あんじ)!(笑)

 

つばさ:

安慈。海外のバンドの「アンジー」が名前の由来ね。

 

大内:

すげぇ知ってるよこの人‥‥。

 

つばさ:

いや、『るろうに剣心』好きすぎて(笑)。

 

島野:

変なワード出しちゃったなー(笑)。ブル兄のコントの登場人物の名前はどうやって決めてるんですか?全部のコントで名前違いますよね?

 

大内:

フルネームでつけてますよね?

 

つばさ:

フルネームでつけてる。でも、別に理由はない。あ、でも一応『王の教室』は僕の中で『桐島、部活やめるってよ』のコントなので、たしか神木くんの役が前田って名前で、下の名前は適当に。

 

大内:

俺ら、つけないな。

 

島野:

基本、そのままいきます。

 

つばさ:

一応、全コント、スターシステムをとってて。

 

島野:

スターシステム‥‥?

 

つばさ:

実は、つながってるのよ。世界が。

 

大内:

はー。

 

つばさ:

おなじ漫画の作者で、おなじ世界みたいな。

 

島野:

あー!分かりました!そういうことですね。

 

大内:

ひとつの箱庭の中で起こってるんですね。

 

つばさ:

そうそう。

 

島野:

え、それずっとですか?

 

つばさ:

芸人になって。厳密にではないんだけど、一人でニヤニヤしてる。

 

島野:

気持ちわるっ!

 

つばさ:

(笑)。だから、ここで登場した人物は、あのときの子供だったみたいな。

 

大内:

すご!

 

つばさ:

好きなのよそういうのが。

 

島野:

それに気づいてる人いるんですか?

 

つばさ:

いないいない。だって言ってないし。

 

大内・島野:

(笑)

 

つばさ:

こっちで楽しんでる(笑)。あのメルマガにも書いてもらったけど、(←メルマガ登録してみてー!)『君はアイドル』の一番最後の主人公と結婚してる「あいちゃん」は、『王の教室』で登場した「あいなちゃん」っていう‥‥ほんっっっとに知ってても知らなくてもどうでもいい情報(笑)。でも、俺の中ではある。だからその、2つのコントの主人公は、おなじ教室にいたんだよね(笑)。でも、二人は友達じゃない。

 

島野:

どうでもいいけどおもしろいっすね(笑)。

 

大内:

愛着わきますね。

 

つばさ:

だからフルネームでつけてるのかも。

 

島野:

ちゃんといるんですね。

 

つばさ:

『バムとケロ』。

 

大内:

なつかし‥‥!

 

島野:

『バムとケロ』?

 

つばさ:

そういう絵本があるのよ。犬とカエルの。読んだ方がいいよ!島田ゆかだっけな、作者が。その人の作品で『かばんうりのガラゴ』ってのがあるんだけど、かばんうりのガラゴの家にいろんな人が遊びにくるお話で。最後に、「あれ?また最後にまた誰か来たようです」で、うしろ姿のバムとケロが描かれてて、俺らは「バムとケロだー!」って楽しむ(笑)。

 

大内・島野:

(笑)

 

つばさ:

めっちゃ好きなんだよな。そこんところを精密にしたいよね(笑)。

 

島野:

高校の名前とか(笑)。

 

大内:

そういうのいいですね。

 

つばさ:

キャラへの愛着みたいなのはある?

 

島野:

ありますよ。んー、例えばで言ったら、SMAPのネタの丸ちゃんとか。

 

大内:

いろいろあるんですけど、みんなの帰りたい気持ちに、気づいてないんですよ、丸ちゃんが。

 

つばさ:

あー(笑)。

 

大内:

あとは、本当に身から出たセリフとかはいいですね。

 

島野:

あ、でも誰にも言ってないけど、自分なりの裏設定はありますよ。最後のベンチのコントだったら、古澤以外のあいつら誰も靴ヒモ結んでないとか。

 

つばさ:

やる気ないなー(笑)。

 

島野:

『冤罪』のピストル持ってるあいつは、刑事でもなんでもないとか。

 

大内:

え?!それ知らなかったぞ!(笑)めちゃくちゃ怖ぇじゃねぇか!

 

島野:

誰か気づくかなとか思ってたんだけど、あれ実は台本の役名に、「刑事みたいな人」って書いてあるのよ。

 

大内 

うそだろ、騙されてたよ‥‥。

 

島野:

道徳の時間に、小学生たちであれについて会議してほしいな。

 

大内:

外見で人を判断するってこういうことなんですよ!って。

 

島野:

そういうことじゃねぇよ!ってツッコまれたいな全員から(笑)。

 

つばさ:

それがほしいからね(笑)。

 

大内:

つばささん、次挑戦したいこととかありますか?

 

つばさ:

前も言ってたけど、叙述トリックは、やってみたいなぁ。

 

島野:

練習段階ではあったりしたんですけどね。

 

つばさ:

むつかしかったな。

 

大内:

つばささんの単独とかは観たいですよ。

 

つばさ:

近いうちに、ぽいことはやるかもしれない。

 

大内:

お!

 

島野:

悟道くんは?

 

大内:

俺もピンで単独を。

 

島野:

なんでだよ!

 

大内:

僕らも、次にやるのはもう決まってますからね。3/4。(←観に来てくださいー!)

 

つばさ:

近っ‥‥!

 

大内:

近いんすよ。

 

島野:

やりますよ。

 

つばさ:

わー、俺もがんばろ。

 

店員:

まもなく閉店のお時間です!  

 

 

(おわりです。)

 

 

 

 

=======

 

3/4(日)シル第5回単独ライブ『POST-MAN』 

時間:一部は15時から/二部は19時から(開場はそれぞれ30分前から)

場所:宮益坂十間スタジオ(渋谷)

料金:前売1300円/当日1500円

ご予約:

ぜひ、ご来場ください!

 

シルのメールマガジン『略して、メー。』

気分的な頻度でメールマガジンを出しています。コラムにコーナーに漫画に盛りだくさんです。

 ぜひ、ご登録ください!

 

 

(適当な記憶と、その場のノリで喋っているところもあるので、意味不明だったりそこらへんご理解ください!よろしくお願いします!)text & photo by しまの

レッドブルつばさと語ろう。④(最終回)

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③はこちら

 

 

感動するってなんだろう。

 

 

島野:

今、ブル兄が、この人おもしろいなって特に思ってる人って誰なんですか?

 

つばさ:

誰だろう‥‥?

 

島野:

身近な人でも、別にお笑いの人じゃなくても。それこそシベ小とか。

 

つばさ:

じゃあシベ小!大好き!ちょっと大好きすぎて、どうにかなっちゃう。

 

島野:

(笑)

 

つばさ:

最近知ったのがすごい悔しいんですけど、もっと前から知りたかったな、シベリア少女鉄道

 

大内:

どこがすごいんですか?

 

つばさ:

完全にシステムの人というか、装置というか。そのシステムを完成させるために演者がいてっていう。そこについてはめっちゃ好みってわけじゃないんだけど、システムが完成されすぎてて、その美しさで感動しちゃう。

 

大内:

へぇ。すごすぎて。

 

つばさ:

一回、すごすぎて、泣いちゃって(笑)。すごすぎて泣いちゃうってはじめてで。ストーリーで感動とかじゃなくて、システム、様式がすごすぎて、最後の終わり方とかが美しすぎて泣いちゃうという。そんな泣きあるのかよと。自分ができないからこそ好きなのか、そこまではちょっと絶対に辿り着けないなっていうのもあるのかな。

 

島野:

そこまで行ってみたい気もしますけどね。

 

つばさ:

この前もシベ小の公演があったんですけど、それはいつもとちょっと違ってて。元°C-uteの中島さんとエビ中の安元さんっていうアイドルが出てたんですよ。だから、そういう層のお客さんが多くて。いつものシベリア少女鉄道は、システムを理解できないと笑えないから、1つ目のバラシがあるまでなかなか笑いが起こらないんだけど、前回は、システムを取っ払っても、本筋だけの面白さで笑いをかなりとっていて。キャラクターが生きてて、その感情の動きだったりとかがおもしろくて。そこにシステムも丁度いいバランスで乗っかってきて、それがかなりよかった。

 

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大内:

今回はこの仕組みですごいウケたいっていうのはもっと仕込んでいきたいですよね。

 

島野:

ブル兄も悟道君も、社会人経験あるじゃないですか。僕もですけど。どうですか?

 

大内:

僕は、いったん全部落ちました。

 

つばさ:

落ちた。2年間、落ち続けて。あ、最初に大喜利的なネタしかできなかったっていうのは、それもあるのかもしれない。大喜利は続けてたから。

 

島野:

続けてないと、きついっすよね。

 

つばさ:

分かる。のぼり中です。

 

大内:

みんなのぼり中(笑)。

 

島野:

ずっとのぼりたいっすね(笑)。僕、ブル兄と逆で、システムに興味が出てきてるかもしれないです。それこそ、日常つながりでしかネタを書いたことなかったんで。シベ小の話を聞いて、どうやったらそういうこと思いつくんだろうとか、そっちに興味あります。あとはやっぱり人の強さってのがあるなというのが、ほりぶんの『得て』っていうのを観たときにすごい感じて。もちろん中身もおもしろいし、仕組みもおもしろいんだけど、この人にしかできないおもしろさっていうところが強いなーと。

 

大内:

そこも、いかに演者を乗せることができる土台の部分を出せるかっていうところからの発進だとは思うんですよね。

 

島野:

逆に、ブル兄から質問あります?それこそ、1/20のライブで、どんなことやりたいかとか。

 

つばさ:

今までやったことのない手法のコントをやりたいっていうのは絶対にあって、新しい挑戦はしたいし、なんなら、今まで見てきてくれたお客さんたちにも、こういうことするんだとか、こういう一面もあるんだなーっていうふうに見てもらえたら。で、できればそれをスタンダードに。本当に自分がやりたいと思ったことをやるっていう、すごい曖昧な答えですけど。

 

大内:

殻を破るみたいな。

 

つばさ:

殻も破りたいし、なんだろうなー。けっこう同じ形式ばかりやってるというか。一対一で喋ってるコントが多くて。

 

島野:

お客さん側に想定の人がいて、その人とのキャッチボールで話が進むっていう構図ですね。

 

つばさ:

そう。でもそれだけやるって、自分で可能性をせばめてるだけだから、それ以外のことに挑戦したいというか、しなきゃなーと。

 

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島野:

もうひとつ聞いてもいいですか?社会人から芸人へのチェンジポイントはなんだったんですか?なんで2年働いてのタイミングだったのか。

 

つばさ:

普通に働いてて、やっぱ、‥‥僕はほんとにねぇ、卑怯な男なんですよ。

 

二人:

(笑)

 

島野:

どうしたんすか(笑)。

 

つばさ:

自分で書いてコントやってたけど、自分で書いたものを100%自分は演じきれないと思って、作家になろうと思って。このおもしろさを半減させるくらいだったら、もっと活かせる人にやってもらいたいと。で、僕の先輩に働いてて、作家やっててっていう人がいたので、そういうところを狙ってやったものの、なんか違うというか。というか、本当にやりたいのは芸人なんですよそれはもちろん。100%活かせないからあきらめただけであって。

 

島野:

はい。

 

つばさ:

で、なんだろうなー、どういう順序で話そうかな。なんで会社辞めたのか。なんでなんだろうな。単純に、この先、この会社に自分が求めるものはないかなっていう、よくある話だけど。いくらキャリアを積んでも、部長とか社長を目指したいのかと言われたら、そうじゃないし。じゃあ辞めて、作家としてやっていくかとなったら、本当にいちばんやりたいことをやらないのは違うなーというか。そういう考えで芸人を選んだっていうのが正しいのかな。分かんないけど。あきらめたかっていうのはあるのかもね、あきらめたかったっていうのはあれだけど。

 

大内:

あー。一度真正面でぶつかって。

 

つばさ:

そう。ぶつかってないから。一回マジでやって。2年っていうのは本当にたまたま2年。

 

大内:

そうなんですね。

 

つばさ:

仕事やり続けながらコントやるっていう選択肢はなかったわけじゃないけど、時間と体力が本当にそっちにもってかれてしまってたので、そこはスパッと。

 

島野:

なるほどっすね。なんかもっと聞きたいことあったんですけど‥‥あ、中高時代の話とか聞きたかったんですよ!そこになんかルーツあるのかなと。

 

つばさ:

あるのかなぁ‥‥ある!あるよある!あるわ‥‥。

 

島野:

あるんすね。

 

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つばさ:

あるなぁ。感情を爆発させるコントをやりたいと思ってて、それ、たぶん自分をおさえ込んできた反動だと思うんですよ。小中高大現在と、感情をおさえ込んで生きてきたので、その反動でやりたいっていう思いもあるかもしれない。

 

大内:

彼女とかいました?

 

島野:

急にね。

 

つばさ:

高2ではじめて付き合った。

 

島野:

いっしょ!ほとんど付き合いという付き合いをできてないんですけど。

 

つばさ:

いっしょいっしょ。

 

島野:

よく分からないまま。

 

つばさ:

好きになった人には、振り向いてもらえず‥‥女みたいだななんか。

 

二人:

(笑)

 

つばさ:

気を引くために違う男と付き合うみたいな。そんなことしてましたな。

 

大内:

フェミニン!

 

島野:

男の方がロマンチスト論っていう持論はあるんすけど。

 

大内:

そうかねー。

 

島野:

悟道君はね、違うんだよ。だって、BaseBallBear聞いてもなんにも思わない当時だったと思う。

 

つばさ

それは、違うなー。(島野とつばささんはBaseBallBearファンという共通点があります。)

 

島野:

もう、なんか涙もろくもなってきてるし。

 

つばさ:

感情を持つのはすばらしい。

 

島野:(*ここから実際の音声あります。)

やっぱり、卒業公演も、泣いてしまいましたし。

 

大内:

あー、モー娘。の話です。

 

つばさ

俺も、アイドルマスターシンデレラガールズを見て。

 

大内:

あなたのデジタルじゃないすか。

 

つばさ:

30分、いや24分か、CM抜いて。24分で、2回泣いたからね。しかも、2回目なのに。

 

大内:

知ってるのに(笑)。

 

つばさ:

やっぱり、いいんすよね、僕手書きの字、大好きで。全然関係ないんすけど(笑)。手書きの字、大好きで。もう、手書きの字を見ただけで泣いちゃうんですよ。

 

島野:

なんなんすか手書きの字って。

 

つばさ:

手書きの字、文字文字‥‥。

 

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島野:

泣きそうになってるじゃないですか。なんで泣きそうになってるんですか(笑)?

 

つばさ:

違うもう、ライブのアンケートとか、手書きの文字‥‥。

 

大内:

ほんとに泣きそうになってる!?

 

つばさ:

僕、GOCの卒業ライブのアンケートは、読んで、家でぼろ泣きしちゃって‥‥。で、やっぱ手紙好きなんだーと思って‥‥。で、アイドルマスター見ても、その‥‥。

 

島野:

なにこれ(笑)?なんだこれ!

 

つばさ:

アイドルマスターってアニメで、泣いたんですよ、区切りの回があって。ステージで一回泣いて、終わり際に、アニメの中でアンケートがあったんですよ。手書きの文字があって、そのアニメの手書きの文字で泣いちゃってもう‥‥。

 

大内:

手書きじゃないのに(笑)。

 

つばさ:

(笑)。でもやっぱりそのー、感情がいちばん伝わるんすよ、なによりも。なんなら喋りよりも、手書きの文字のほうが伝わると思う。感情は。

 

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(書いてはみたものの、文字だけではどうにも伝わりきらないと思ったので、そのときの音声をこちらからどうぞ。https://youtu.be/sLPVYsOxvXw

 

つばさ:

単純に歳かなっていうのも思い始めてきた。

 

島野:

それはあるかもしれないですね。

 

つばさ:

でも、そうなると悔しい。

 

島野:

現に泣いちゃってるんでなんとも言えないですけど。

 

大内:

俺も咳でむせて泣いちゃってる。

 

島野:

みんな泣いてる。

 

つばさ:

『海に行くつもりじゃなかった』っていうトークライブでも話したことあるんだけど、昔やってたキリンメッツのCMも好きで、女子高生が走ってるだけで泣いちゃう。(2/3に『海にいくつもりじゃなかったvol.3』があります。)

 

島野:

みんな泣いてるので、もう終わります。

 

 

(おわりです。)

つづきました。

 

 

=======

 

1/20(土)レッドブルつばさ×シル 対バンライブ 『ベンチに入りたい』

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時間:一部は15時から/二部は19時から(開場はそれぞれ30分前から)

場所:阿佐ヶ谷アートスペースプロット

料金:前売1300円/当日1500円

ご予約:

ぜひ、ご来場ください!

 

 

(適当な記憶と、その場のノリで喋っているところもあるので、意味不明だったりそこらへんご理解ください!よろしくお願いします!)text & photo by しまの

レッドブルつばさと語ろう。③

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②はこちら

 

 

なんで朝井リョウはおもしろいんだろう。

 

 

大内:

ふだん、どんなことで笑うんですか?

 

つばさ:

日常で?‥‥ある?

 

大内:

僕は、‥‥動物見たとき。

 

島野:

なんだそれ(笑)!

 

大内:

今日も、朝散歩していて、ハトがいたんですけど、ハトの首のところってすっごいツルツルしてるんすよ。で。

 

島野:

「で」じゃないよ。

 

つばさ:

俺は、自分がいつ笑うのか本当に思い出せない‥‥。

 

二人:

(笑)

 

つばさ:

笑わないんだよね、やっぱり。なんだろう、感情が表に出ない。

 

島野:

僕らも基本、出ないほうですよ。

 

つばさ:

日常生活の延長でコントを書くってことがあんまなくて。でも、それをやりたいと思ってて、メモもしてるのよ。でも、あまりおもしろくないなってなっちゃうんだよな。それがなんでなのかは、うまく喋れないけど。

 

島野:

ネタの核みたいなのは、どっから引っ張ってくるんですか?

 

つばさ:

‥‥出てくる。

 

島野:

ぽんっと?

 

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つばさ:

これが、ほんっっっっとうに分からなくて。それがどっから出てくるのかが。まず第一条件として、ピンだから、一人でできることっていうのでいろいろ考えて。状況とかもいろいろ考えてみて、こういうのもあるよな、ああいうのもあるよなー‥‥で、出てくる(笑)。今までこういうこと聞かれて、ちゃんと言えたことないから、しっかり答えてみたいんだけど、なんなんだろ。どうやって出てくるんだろうな、まじで。自分が毎日どうやってネタ書いてるのか、書いてるときじゃないと分からない。

 

大内:

めっちゃ分かります。特殊な気分ですよね。

 

島野:

じゃあ、書いたりやったりする上で、気をつけていることってありますか?

 

つばさ:

気をつけてることかぁ‥‥。

 

大内:

僕は、やる上で、無駄な動きを制御できるようにっていうのがあって。緊張しいなので、無駄な動きが本当に多い。

 

島野:

遊びとかじゃない、本当の無駄ね。

 

大内:

それは、お客さんにとって悪いノイズだから、本当に基本的だけど、それを抑えるっていうことを。

 

つばさ:

気にしていることっていうか、いい加減どうにかしろよって思うことなんですけど、‥‥大きな声が、うまく出せない。

 

二人:

(笑)

 

つばさ:

何年やってんだっていう。

 

島野:

でもそれまったく一緒です。

 

大内:

大きな声を出したいってことですか?

 

つばさ:

えっと、出す場面が多くて。感情をグワーって出す場面で、大きな声を出すんですけど、必ず、怒気が含まれる。

 

島野:

意図してないのに。

 

つばさ:

自分の映像とか見直すと、こいつずっと怒ってんじゃんって思っちゃう。本当は、怒ってる場面なんてちょっとしかないのに、全編怒りっぱなしの人みたいになっちゃうと、そうなると話変わっちゃうし、軸もブレるし。

 

大内:

僕は、基本出力を上げたいです。普通に声を張って出る声の大きさを太くしたい。

 

つばさ

それだ!そういうこと!

 

島野:

俺もそれ!

 

三人:

本当にそれ!

 

島野:

下手に大声出しても、おもしろくないというか、笑えない大声なんですよね‥‥。

 

つばさ:

基本の声が小さいから、ベースで喋ってるセリフの声の大きさを大きくしようとすると、叫んじゃう(笑)。

 

大内:

中間がないんですよね。

 

つばさ:

でもあきらめたくない。これはやんなきゃ。

 

大内:

話は変わるんですけど、次にコントで試したいことってありますか?

 

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つばさ:

んー、喜びたいかも。コントの中で喜びたい。これ答えあってるかな?登場人物が喜んでるっていうか、ハッピーなコントをやりたいっていう。でもそういうのって笑いになりづらいのかな。あとは、お客さんがゲロ吐くみたいな。

 

島野:

お客さんがゲロ吐く?

 

つばさ:

例えだけど、気持ち悪すぎてどうにかなっちゃうみたいな。笑い以外の感情をなにか特化させたものっていうのを実験的にやってみたい。マジでお客さんが怖がるとか。マジで泣くとか。よくあるような、オチで、ひえーとかじゃなくて、マジに。

 

大内:

意識すれば、できる気もしますね。

 

つばさ:

それも長尺じゃないとできないかなってところもあるし、一人でそういうことができるのかっていう挑戦もある。それでおもしろいっていうのを作れるのかという。

 

大内:

僕もやりたいことあって、脳って自分の都合のいいように解釈するって、あるじゃないですか。整合性を保つために、自分で自分を騙すみたいな。それをどうにか利用できないかなっていう。

 

つばさ:

あ、試してみたい手法、ひとつ思い出した。小説でよく「叙述トリック」ってあるじゃないですか。叙述トリック好きなんですよ。

 

島野:

どういうの読むんですか?

 

つばさ:

この前読んで、ほーと思ったのは『烏に単は似合わない』っていう、恋愛ファンタジーみたいな小説で。もっと前にも、叙述トリックの本は読んだことがあったんだけど、でも、それは「叙述トリックですよ」って言われて読み始めたから、もうストーリーに集中できないというか、まじめに読めなかったんだけど。『烏に単は似合わない』は‥‥あ、ネタバレっぽいけど大丈夫?

 

島野:

大丈夫っす。

 

つばさ:

和風の恋愛ファンタジーみたいな設定なんだけど。まず、軸がめっちゃおもしろい。叙述トリックとか関係なく。でも、そこは、この人が?みたいな叙述トリック的などんでん返しがあって。そういう、なんだろうな、急にお客さんを驚かせてみたいというか。朝井リョウの『何者』とかもそうかもしれない。

 

島野:

あー、あれすごいですよね。

 

つばさ:

あれは、久々に本読んでて、自分の心臓の鼓動が聞こえてきた。まじかまじかみたいな。急にクルってひっくり返って‥‥あ、朝井リョウの話になっちゃう(笑)。

 

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島野:

朝井リョウ好きですもんね(笑)。

 

つばさ:

本当に大好き。『何者』はたしか、一人称なんですよ。語りの部分も多いから、読んでる側の感情は乗りやすいようになってて、さらにそこで最後、急にガッてなる。だからおもしろい。そういうのをコントでもできたらおもしろそうだな。

 

島野:

俺も朝井リョウ読んだことありますけど、そんなには読んだことないすね。

 

つばさ:

朝井リョウは、めちゃくちゃ朝井リョウが出てくるんですよ。

 

大内:

朝井リョウ感みたいなことですか?

 

つばさ:

朝井リョウの主張がけっこうすごくて。インタビューとかも全部読んでて、その内容からだと、朝井リョウの主張って、なんかこう、読者の手も足も縛りつけて、頭つかんで、あーーー!って言うような主張なの。言いたいことが明確にあるのよ。その言いたいことを、読者にいちばん響かすにはどうしたらいいかっていうので、こういうストーリーにしようみたいなことをしてて。

 

島野:

はー!

 

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つばさ:

その流れの作り方もすごいし、システム的な部分もいい。プラスアルファで、そこに出てくる主人公たちも、そのために操られている人たちではないっていうリアリティというか雰囲気というか、それがうまく掛け合わさっているのがいい。基本的には、そういう作り方なんだけど、システム的なところか、人物的なところか、どっちかに偏る作品もあって。『世にも奇妙な君物語』っていう小説は前者で、世にも奇妙な物語っぽい話をひたすら書いてる。それなんかはもう完全にシステム。『武道館』は後者で、人物を通して、アイドルってものを描き出そうとしていたんだなとか。そういうおもしろさがある。

 

島野:

それはたぶんコントでもできますよ!

 

つばさ:

見せたいところを明確に決めて、そこにいかに導くか。

 

島野:

縛りつけるって出てきましたけど、僕は逆に、油断してもらうっていうのは頭の中にあります。最初、笑ってくださいーなのに、途中から、みたいな。なので、朝井リョウの話は聞いていて今ゾクゾクしました。

 

つばさ:

一人だったら、その人を見るしかないから、感情移入させやすいのかなというか。そこでクルっていう裏切りがあったり、っていうのもやりたいかなっていう思いもちょっとあったり。

 

 

つづきます。

 

 

(適当な記憶と、その場のノリで喋っているところもあるので、意味不明だったりそこらへんご理解ください!よろしくお願いします!)text & photo by しまの

レッドブルつばさと語ろう。②

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①はこちら

 

 

コントのどういうところが好きなんだろう?

 

 

島野:

最初はチュートリアルから入って、それからはどんなの見てたんですか?

 

つばさ:

たぶん、コント好きになったのは、キングオブコント2008のザ・ギースのやつ‥‥?

 

島野:

卒業式の。

 

つばさ:

そこから、高3から大学3年生くらいにかけて、ラーメンズとかバナナマンDVDを全部借りて見まくってみたいな時期を経て。

 

島野:

絶対ありますね。悟道君は?なんのお笑いを見て来たか話(ばなし)。

 

大内:

中学のときに、『タイガー&ドラゴン』(長瀬智也岡田准一がやってたドラマ)で落語に大ハマりして。落語家になりたいとまず思うっていう。

 

つばさ:

出発点そこなんだ。

 

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大内:

教室で教壇の上に座って、一人で勝手に落語やりだすみたいなことやって。

 

島野:

やべえ。

 

大内:

どんなに茶々入れられてもやり抜いた。

 

島野:

やばいね。

 

大内:

そこから高校になって、漫才とコントも見るようになって、それもしっかりハマって。今度は、お笑い芸人なろうと思って、大学でお笑いサークルに入るっていう。

 

つばさ:

へー。

 

大内:

僕も最初は漫才からはじめたんだけど、コント一回やったら、コントおもしろいなって思ったんすよね。

 

島野:

僕らとブル兄との出会いはどこになるんですか?

 

大内:

けっこう前から知ってたんですけど、この人コント好きなんだと思って認識したのは、つばささんが『月曜のディナー』っていうコントライブを開催してて。

 

つばさ:

はいはい。

 

島野:

俺も、たぶん大学入ってけっこうすぐに知ってたと思うんすけど、顔が、コント好きじゃないすか。

 

つばさ:

顔!?

 

島野:

コント好きの顔。「あ!」っていう(笑)。

 

つばさ:

あんのかな。

 

大内:

逆に僕らのことどこで見てたんすか?当初。

 

つばさ:

なにで見たんだろう。一番はじめは、それぞれのコンビで認識してて。めっちゃコントしてるから、コント好きなんだろうなって。普通に、出てたら見にいきたいなと。あと、ワクワクする。‥‥俺、ワクワクするのが好きなの。(笑)

 

二人:

(笑)

 

つばさ:

この人、今回どんなネタするんだろうって、めっちゃワクワクするのが好きで。コントはもうほんとに幅が広いから、この先どうなるんだろうってワクワクしちゃうのが好き。その中でも枠にはまってない二人だから、ワクワクしながら見てました(笑)。次どんなことするんだろうっていうのが好き。

 

島野:

コントのどういうところが好きかっていうのもありますよね。

 

大内:

落語が好きだったから、まずはストーリーとしての話の軸がちゃんとあるってところが好きで、漫才とコントを比べると、そういう、話の筋みたいなところがコントの方が目立つからかなぁ。

 

つばさ:

んー、むずかしい‥‥!

 

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島野:

漫才との違いもありますけど、なんなんでしょうね。むずいっすね。

 

大内:

大事にしているところが違う気はするんですよね。つばささんはコントのここが好きってありますか?

 

つばさ:

あるのかなー。最近思ってるのは、笑いに無自覚な人というか。漫才とかだと、ボケとツッコミが明確に分かれていることが多いから、ボケがボケているというか‥‥。そのボケは無自覚である方がいいんだけど、ボケの目をしているというか、笑いを取ろうとしている人たちって見え方をどうしてもしちゃうなっていうのがあって。けど、コントにおいては、それは必ずしも当てはまらないなとも思っていて。単純に、ただ生きているだけなのに、おもしろい。っていう状況を描きだせるのがコントというか。‥‥それがなんでおもしろいのかは分からないけど。

 

島野:

漫才でもそこを突破している人たちはいますし、コントでも、そういうのが透けちゃうコントは、なかなかうまく笑いがつながらないっていうのはありますよね。どっちもお笑いなんですけど、やっぱり漫才には「漫才」という設定みたいなものがひとつ乗っかるので、そこはコントと違いますね。

 

つばさ:

むずかしい‥‥。これについてはまだまだむずかしいなー。

 

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大内:

つばささん、普段どんなふうにネタ書いてるんですか?

 

つばさ:

それは、今ちょうど変わりつつあって。

 

大内:

ちなみにこれまでは?

 

つばさ:

これまでは、3分でどれだけ面白いボケができるかを考える。

 

島野:

設定は?

 

つばさ:

設定は最初に決めます。1個目のバラシから考えることが多い。

 

島野:

へー!俺ちがいます。

 

つばさ:

え?!

 

大内:

色々ですね。

 

つばさ:

1個目のバラシで、「こんなの見たことない」と思わせて、「すごいぞ、これどうなっていくんだ?」と思わせたらっていうの、勝ちパターンじゃないけど、あるじゃないですか。で、俺もそれをやってみたんだけど、お客さんの反応は「なるほどね」と。「えー!?」じゃなくて、「はいはいなるほど」というものしか作れなかった(笑)。設定のバラシで、拍手笑いを起こせなくて、得意じゃないんだって気づいて、っていう経緯で作り方を変えてやってみている最中。

 

大内:

めちゃくちゃ潔いっすね。

 

島野:

とにかく笑いの量でおもしろいって判断する人もいるだろうし、悟道君みたいに、まずストーリーがおもしろくてっていうので、おもしろいと思う人もいるだろうし。何をもっておもしろいとするかというのはありますよね。

 

つばさ:

そこはむずかしい。

 

島野:

それぞれのコントを、どういう人がおもしろいと思ってくれてるのかってところは、正直気になりますよね。たぶん、ブル兄のコントが好きだっていう人は、とにかくボケ数が多くて笑いの量がとにかく多くてっていうところでおもしろさを判断する人じゃない可能性高いじゃないですか。

 

つばさ:

ボケの量とか回数で勝負したら、ピンはなかなか勝てないからね。

 

島野:

じゃあ、このコントが好きだと言ってる人は何がすきなんだってところは、俺も知りたい(笑)。

 

つばさ:

たしかに知りたい(笑)。

 

大内:

つばささんの人間性は、おおいにあるでしょうね。

 

つばさ:

たぶん、あると思う。

 

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大内:

つばささんが、すごい自分に合ってる設定のコントをしているから好きっていう。

 

島野:

どういう感想をもらうことが多いんですか?

 

つばさ:

どういう感想もらってるんだろうなー。んー‥‥。でも、この前のライブで言われたことは、良い意味で暗さが出てたと。アクティブな闇。

 

大内:

哀愁?

 

つばさ:

哀愁なのかな?俺が最近やってて、自分で好きなのは、俺がけっこう追い込まれるというか。かなしい立場に追い込まれるというコント。喜怒哀楽て言ったら、哀と‥‥怒。「怒」もけっこう入ってる。なんでこういう状況になってしまったんだという怒りをぶつけてるものが多くて。なんだけど、逆に最初は、感情を一切乗せないシステムのネタを考えてて。

 

島野:

見やすいですもんね。

 

つばさ:

そう。だけど、学生時代もいろんなユニットを組みまくってたんだけど、好きなことをやろうってコンビで書くネタは、なぜかシステムにはいかなくて。恋愛のコントばかり書いてたな。当時(笑)。男女コンビ組んだら、必ず恋愛もの。

 

島野:

なんすかそれ(笑)。

 

つばさ:

分っかんない(笑)!でも、なんか書いちゃう。

 

大内:

それはコンビ同士の恋愛ストーリーなんですか?

 

つばさ:

いや、それだけじゃなくて、いろんなパターン。とにかく恋愛がキーワード。

 

大内:

それが今は怒と哀がテーマ。

 

つばさ:

でも一緒だと思う。根元は。

 

島野:

なんすかね?自分が作りたい世界とかそういうことなんですかね?

 

つばさ:

そうなのかもしんないな。

 

島野:

でも、自分が追い込まれてるコントって、書く時に辛くないですか?

 

つばさ:

たぶん、もう一人、俯瞰で見てる自分もいて。なんか、かなしんでいる人を見るのが好きなんだろうね。そこにおかしみというか。泣いてる人見るのが好きなんだと思う。

 

大内:

情緒をどう扱うかってところなのかもしれないですね。

 

 

つづきます。

 

 

(適当な記憶と、その場のノリで喋っているところもあるので、意味不明だったりそこらへんご理解ください!よろしくお願いします!)text & photo by しまの