コントを語ろう。

コントを語ろう。

○○なものを、□□な人と語ったり、語らなかったりします。

レッドブルつばさと語ろう。①

来年の1月20日、レッドブルつばささんとコントグループシル『ベンチに入りたい』というライブを、阿佐ヶ谷アートスペースプロットで行います。おたがいに、好きなコントを、時間を気にせずにやりあうライブです(よろしければ、ぜひ来てください!)。

レッドブルつばささんはピン芸人、シルはコントグループですが、おなじ「コント」をする人として、コントをキーワードにお話しがしてみたい、レッドブルつばささんのコントの考え方を聞いてみたい、という思いを伝えたところ快諾していただき、今回のお話しが実現しました。じっくり2時間(じゃ足りなかった‥‥)の内容、いくつかに分けてお届けしていきます。

 

 

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レッドブルつばさのプロフィール

1993年、福井県生まれ。(早生まれなので、1コ先輩です)

東京学芸大学お笑いサークルGOCでは代表を務めていた。

ピン芸人レッドブルつばさ」としてネタライブや大喜利ライブに出る他、主催ライブも積極的に開催している。

 

大内悟道のプロフィール

1993年、東京都生まれ。

大学生時代からレッドブルつばささんとは知り合い。

コントグループシルを企画した、シルのリーダー。作、出演。

 

島野大輝のプロフィール

1993年、神奈川県生まれ。

大学生時代からレッドブルつばささんとは知り合い。

シルのメンバー。作、出演、デザイン、編集。

 

 

コントをやる人はなんで長尺をやりたくなるんだろう。

 

島野:

もともとは、メルマガをやりたくて。その企画としてコント対談を考えてたんです。一応、『コントを語ろう』っていう仮題だけありまして(笑)。

 

つばさ:

(笑)

 

島野:

じゃあ、はい、今そうなりました(笑)。

一応、自己紹介からしてもらってもいいすか?

 

つばさ:

レッドブルつばさとしか、言いようがない(笑)。

 

島野:

レッドブルつばさとしか、言いようがないっすよね!

 

悟道:

ふだんはどんな芸風で、とか。ピン芸人やってて、とか。

 

つばさ:

あー。ピンでやってて‥‥どう言えばいいんだろう。最近は一人コントしかしてない。フリップとか漫談とかそういうことはやらずに。ひたすら、愚直に一人コント。

 

悟道:

つばささんが一人コントをし始めたのっていつですか?

 

つばさ:

んー‥‥、大学4年とか?そんなにやってないんだよ大学のときは。ずっとショートコントやってて。

 

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島野:

まぁでもショートコントも、コントですよね。たしかに、ピンで長いのをやりはじめたのは、そのときくらいからな記憶はあります。

 

つばさ:

ショートコント以外のコントをやりはじめたのは、3年とか4年とかからで。でも、ピンになってから、ショートコントも含めれば、そういう意味では全部コントだな。

 

悟道:

最初からピンですか?

 

つばさ:

いや、大学2年から。1年生のときは、漫才コンビでずっとツッコミをやってました。

 

島野:

それ知らなかったです。

 

つばさ:

クロガネっていうコンビで。あ、あと、女の子とコントをやるコンビも組んでた。漫才のコンビとコントのコンビで、一年間くらいやってて‥‥で、同時に解散して。

 

悟道:

同時に?

 

つばさ:

相方同士が付き合って。

 

二人:

えーーー。

 

つばさ:

そう。で、女子のほうがやめるって言っていなくなっちゃったから、一人になっちゃって、どうしようもないからピンでやったっていう、経緯。だから、それまで一人でお笑いやるとか考えてなくて、ちゃんとピンのネタを見たことがなかったから、それを見ることからはじめて。

 

島野:

そもそもなんのお笑いを見てたんですか?

 

つばさ:

一番最初はチュートリアル

 

島野:

へー!2006年のM-1

 

つばさ:

2006年のM-1いや正直、それまでちゃんとお笑い見たことがなくて。エンタとかでギター侍とか流行ってたけど全然知らなくて。ずーっとチュートリアル追っかけて、関連動画でNON STYLEとか。中2くらいから高2くらいまで、ずっと漫才。

 

悟道:

僕のつばささんのイメージは、GOCで初のコントライブを開催したってイメージが強いです。

 

つばさ:

やったやった。代替えして、2年の終わりに僕が部長になって、部長になった瞬間に、「やります」って言って。今までそんなこと言った人いなかったけど。

 

島野:

僕も見に行きました。

 

悟道:

そういうのもあって、僕はコントの人のイメージが強くあるんですよね。

 

つばさ:

そっちのもともとの発端はなんなの?

 

島野:

2年の終わりに?それぞれのコンビでやってたときに。

 

悟道:

声かけたのは2年。

 

島野:

2年の冬に、なんかのライブ終わりで悟道くんが「コントライブ一緒にやろうよ」って話しかけてきて。

 

悟道:

実現したのは、3年生の冬なんすよ。僕が組んでた柔くんっていうコンビと、島野が組んでたレモネーション、あとGOCのムーンオンマンデーの3組で、合同コントライブ『未熟な缶詰』ってのを打ち出して。

 

島野:

大会とかだとネタ時間が決まってるので、もっと時間を自由にやりたいみたいなのも目的のひとつで。10分とか。やっぱコントやる人はみんななぜか長尺をやりたくなる。

 

つばさ:

これなんでなんだろうね。

 

島野:

これなんなんですかね。

 

つばさ:

全員なんだよな。

 

島野:

全員思うと思う。

 

悟道:

3分のコントやりたいって言うコント好きの人ってあんまりいないんじゃないかな‥‥。

 

島野:

ここ、なにかある気もするんすよね。

 

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つばさ:

つい最近なんだけど、ていうか2、3日前に『始まりの町』(レッドブルつばささんが主催しているライブ)でやったコントなんだけど(シルも出ました)、6分くらいの。現状出れるライブが、3分くらいのフリーライブしかなくて、それは3分15秒とかで強制暗転されちゃう。そのライブで、当然勝ちたい。そうなると、賞レースみたいなネタを書いちゃう。一般的にある方程式のひとつとして、手数が多い、ボケ数が多いみたいな、勝ちたくて書いたコントになっちゃう。でも、勝てないんすよね。まず、手数で頑張ろうと思っても、漫才には勝てないって思って。だからと言って、無理やり手数を増やすみたいなことをやりたいかって言われたらそうじゃないし。そこで自分に立ち戻って考えた時に‥‥なんだろうな‥‥。

 

悟道:

お客さんの感情を動かしたいってなった時に、3分のネタでできると思ってた感情の動きって、しないですよね。

 

つばさ:

しない。しないことが多い。

 

悟道:

自然に人間の感情をってなると、やっぱり段階を踏んでかないと、推移してかないですよね。3分でそれをやるのは至難の技じゃないですか。感情が揺さぶられるんだけど、虚構であるおもしろさというか。僕は、長くやりたい理由は、そういう自然な感情の流れを作りたいなってとこにあるかなとは思うんですけど。

 

つばさ:

あー。

 

島野:

個人的に思うのはもうひとつあって。コントをやってるじゃないですか。やってると、やっぱり楽しくなっちゃうんですよね、コントの中が。楽しくなって、コントの中で遊んでると、長くなっちゃうんですよ。単純に(笑)。

 

つばさ:

あーー!すげー分かる。楽しすぎる。

 

島野:

楽しすぎて、コントの中が!なんか、中に入ってる感。

 

つばさ:

なんなんだろうな。

 

島野:

一旦関係なくなる。なんも。そこでこう、セリフとかじゃなくなるじゃないですかもう。セリフって訳でもないみたいな。無駄も好きだから、長くなっちゃう。

 

悟道:

その無駄がキャラクターの深堀りになったり、本当にこの人いるんじゃないかっていうことをお客さんに与えると思うんですよ。

 

つばさ:

もう、コントの中のそいつがやってることだからね。

 

島野:

ここ、実はみんなピンコントも経験してるんすよ。ピンコントで遊ぶのは、すっごい難しくないですか?

 

つばさ:

ピンコントで遊ぶのはすごく難しい。でもどうにかして遊びたいという思いもあって。余白というか、フリーパートを作って、だからそこはセリフを決めずに。

 

島野:

わ。僕らもやります。

 

つばさ:

これダメかもしれないけど、練習と本番はやっぱり全然違くて。本番入ったら、入り込みすぎて、なに言うか分からないから余白にしてるってのもあって(笑)。本番やったら、「あ、俺こんなこと言うんだ」って自分で驚くし。

 

島野:

分かります!

 

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悟道:

楽しければ楽しいほど、そのキャラクターが言ってるセリフが真実味を帯びてくるんですかね?100パーキャラクターに入り込めてるみたいな。それとは反対に、ただ台本を読むだけだと、すぐにお客さんにバレちゃうじゃないですか。このコント、なんか引っかかるなーって思った時は、キャラクターとセリフがマッチしていない場合が多いです。

 

つばさ:

それ、分かってたつもりなんだけど、最近腑に落ちてるというか。3分で勝たなきゃって思いからなんだけど、よく考えたら言うわけないセリフを、目先の笑い欲しさに言う。でも、感情の整合性がとれてないとおかしいっていうの分かってるから、無理やり感情の方を持ってく。ボケがまずあって、感情の方を間に合わせて真っ直ぐにしたつもりでもできてなくて。それがウケる時もあるんだけど、この前のライブはそれをあえてやらずにいこうとしたら、反応がすごいよかった。その楽しみ方がようやく分かってきたかも。

 

 

つづきます。

 

 

(適当な記憶と、その場のノリで喋っているところもあるので、意味不明だったりそこらへんご理解ください!よろしくお願いします!)text & photo by しまの