グータンと語ろう。⑤
( ④はこちら)
コントで人(にん)って、なんだろう。
島野:
個人的に俺がグータンに持ってた印象は、そのボケ俺がやりたいのにっていうのをやられちゃうのが、グータンっていう。俺もやりたい~っていう。
森山:
それは、うれしいかも(笑)。それでいうとさ、レモネーション(島野の学生時代のコンビです)と僕たちは、ちょっと似てるかもって思ってた。
原田:
あ、そうだよね。コントの感じとかね。
島野:
あー、そうか。なんだろう。それは、好きなところが似てるんだと思うんだよね。なにが好き?というか、お笑い何見てた?
森山:
二人に共通するのは、さまぁ~ずさん。
島野:
ほら!!もう完全にそこが一緒なんだよね。完全なるさまぁ~ず。
原田:
完全なるさまぁ~ず(笑)。
森山:
完全なるさまぁ~ずは、さまぁ~ずさんだよ(笑)。
原田:
あー、でもそうなんだ。あと俺は個人で言うとダウンタウン。大学入るくらいまで、ダウンタウンしか見たことなかった。
大内:
そういえばそうだった。
原田:
それ以外おもろくないみたいな(笑)。
大内:
最初、サークルもその感じで入ってきたからね。
島野:
それで、ポンっ!の漫才やる?
大内:
そうなんだよ、だから俺はあいつはおかしいって思ったのよ。
全員:
(笑)
大内:
何かが大きくズレてると思って。
森山:
僕は、他の芸人さんだと、アンジャッシュとかそういう仕掛け系のコントみたいなのが好きで、それから三谷幸喜の作品とかが好きになって。まぁでもお笑い全般好きだから、はねとびとかすごい見てたよ。
原田:
はねとびなぁ~、松本人志は、はねとび出てなかったしなぁ(笑)。
三人:
(笑)
島野:
さまぁ~ずさんはどこがいい?
森山:
まぁ全部すごいけど、ふつうに着眼点がおもしろいし、言い方がおもしろい。
島野:
はいはいはいはい。この話するの楽しいなぁー!
森山:
言い方だよね。
島野:
言い方は大きいと思うなぁ。
原田:
たしかに、大竹さんも素直なことを言い方でおもしろくするもんね。
島野:
サンタさんっていう紙芝居のネタは、絵と声だけだから、より言い方でしかないんだけど、あれは顕著に出ててめちゃくちゃおもしろい。
原田:
おもしろいよね。
島野:
ソンネッサーンのとことかの天才さはさておき。
大内:
俺こいつ心配になるもん。一緒に部屋で作業してたときあって、ずっとさまぁ~ずのDVD流れてるんだけど、ときどきボソッと「あ、このボケこの時代から使ってんだ」とか言うだけだし。
島野:
BGMとして流してるからね(笑)。
大内:
俺その知見ないから。
島野:
「そいつ誰だよ!」「何言ってるか分からない」ってボケ、ほぼ必ずあるんだよね。
原田:
俺らたしかに、さまぁ~ず好きでしょ?って言われるね。
森山:
言われる言われる。
島野:
あ、言われるんだ。
森山:
言われる。お客さんと僕らのお笑いの好みが一緒なことはある。
島野:
今、グータン自体はどういう方向にとか、そういうのはぼんやりとでも無いの?
原田:
誰もしないような設定とか、そういうことなのかなぁ。ふつう、炊飯ジャーひとつでやらないじゃん?あとは、服をあげるときの、そのあげ方が気にくわないだけのコントとか。
森山:
そのゴミ捨てといてみたいに渡されたら、欲しかった洋服なのにゴミにしか見えないでしょ?
大内・島野:
(笑)
森山:
で、あげ方をもう一回やり直して欲しいと。
原田:
いや、あげてんだから文句言うなよ。で、一本。
島野:
よくそのミニマムの切り口で5分とかいけるよね。
森山:
いけるいける。でも、最初は洋服を渡してゴミみたいってやってるんだけど、結局反応があるのは、その状況を例えるけどピンとこないとかそういうところかもしれない。
原田:
コントってさ、自分たちの人柄が出ないイメージがあるけど、役になるみたいに。でも、自分たちの人柄が出るコントができたらいいなぁって思ってる。
島野:
‥‥悟道君に言ってること!
三人:
(笑)
原田:
こいつ自体がおもしろいんだもんね。
島野:
特にさ、こいつもさ、そいつもさ、特殊じゃん(笑)。
原田:
それがもうお笑いになるもんね。
島野:
そうね。ふつうどんなコントでも、暗転からの明転なんだよね。だから絶対に漫才よりお客さんが緊張しちゃう。どーもー!とかないし。でも悟道君がバンッって一人でそこに立ってても、そこについてはあまり壁になってないような、そういう力がある。森山も多分あると思う。
原田:
そうだね。分かる。
島野:
だから、これまで開始5秒でボケられないっていう頭でコント考えてたんだけど、緊張よりもワクワク感を走らせることができるかもしれない人がときどきいるっていうのが、個人的にはある。
森山:
それ、言われてうれしい~(笑)。
大内:
俺はもう分からないな、とにかく自分のことを真っ当だと思ってるし。
原田:
え?そうなんだ?
大内:
おかしいな?その反応は。
島野:
そういうことなんだよ。
森山:
でも僕から見てもおかしいと思うよ。
大内:
なんなんだ!
森山:
‥‥体のバランスとか、おもしろいし。
大内:
それはいつも素直に喜べないんだよなぁ。
原田:
あの漫才やってたときの最初の動き?あれが悟道。
森山:
企画で乳首洗濯バサミやられて微動だにしない。あれが悟道。
▲悟道(ごどう)。
島野:
グータンの言うように、コントだからといって自分を出さない、じゃないは意識したいね。
大内:
それはしたいんだよね。
島野:
その意識があるから、どんなコントでも森山だし、るてちゃんなんだろうね。設定の軸は多分きっかけでしかなくて。二人さえいればいけるっていうお笑いをやってるから。
原田:
本当に日常のやりとりでネタになることあるもんね。
森山:
そうね。
原田:
この間もさ、女の子、いたもんねあの子、誰だっけ、ライブ見に来てくれた、ね?ひーちゃん?分かんないけど。みたいに。
島野:
あー(笑)。
原田:
これ、その人がひーちゃんっていうのは分かってるんだけど、覚えてるってこと自体が恥ずかしくて、誰だっけ?みたいにするみたいな。
森山:
そういうことをさ、原田君は言ってくるんだもん。それ言われたらもう終わりだよね。
原田:
それを他の設定に応用してとか。
大内:
今、俺はむしろコントより漫才の方が自由に書けるかもしれない。変に固定観念がないから。
島野:
取っ払ってほしいなそれ。
大内:
いやむずかしいんだよねほんとにこれが。
森山:
ほんとその感じ分かる。大学のときはそれこそそんな責任もないし、肩の力を抜いて作れてたの。で、プロで一回凝り固まっちゃったんだけど、2年かけて、それがやっと出せるようになった。遊んでるんじゃなくて、やろうでやれるっていう。
島野:
いやー、グータンのコント見たくなった。
原田:
単独ライブとかやっててもすごい楽しんだよねー。
大内:
今後予定ないの?
原田:
そろそろやりたいなって思ってるよね?
森山:
幕間映像とかも楽しいし。
島野:
違うボケの飛ばし方できるからね。
(つづきます。)
(適当な記憶と、その場のノリで喋っているところもあるので、意味不明だったりそこらへんご理解ください!よろしくお願いします!)text by しまの/ photo by トールキン